近年、社員への教育やマネジメント能力の向上を目的として、多くの企業がコーチングを取り入れています。また企業だけでなくフリーランスで働く方もコーチングを取り入れていたり、さらには一般の方がビジネスに関係しないスキルを向上させるために活用している場合もあります。

しかしコーチングという活動が広く一般的に普及すると同時に、コーチングを悪用して高額な金銭を騙し取るといった詐欺被害も報告されるようになりました。こういった詐欺被害は、コーチングの活動を通して被害者を思惑通りに行動させる、洗脳・マインドコントロール被害に発展する可能性もあるため、非常に危険な詐欺です。

当ページでは、これまでに報告された事例を交えて、コーチングを利用した詐欺被害やコーチングから洗脳やマインドコントロールに発展してしまうケースついてご紹介しています。同様のトラブルにお悩みの方はぜひ参考にご覧ください。

コーチングを騙った詐欺・洗脳トラブルにご注意を

コーチングについて

今回紹介するコーチングという手法は、相手に対して特定のスキルや知識を指導をする「コンサルティング」のようなものとは異なり、適切な質問することで相手の中に存在する答えを引き出すというアプローチの手法です。

コーチングは現在流行している自己啓発プログラムの一環であり、企業が取り入れている人材育成に関するものから、一般の方に向けた副業やメンタルヘルスの向上を目的としたものまで、コーチングの対象は幅広く存在しています。

基本的なコーチングにおいて、コーチングを行う者のことを「コーチ」と呼称し、クライアントは自身が選んだコーチと契約をすることでコーチングを受けることができる、という仕組みが一般的です。

コーチングに関連したトラブルが増加しています

基本的なコーチングについては前述のようなものが多いですが、近年はコーチングを入り口として人を集め、結果的にマルチ商法や危険な宗教の勧誘に発展するトラブルが多発しています。過去にはカルト的宗教がボランティア活動や大学のサークルを謳い会員を集めていた、という手口が多く見受けられていましたが、現在はコーチングを悪用し、集まった人を勧誘する手口へと変化しているのです。

また高額なコーチング料を請求する詐欺被害も報告されています。コーチング料には決まった価格設定がありません。そのため一般的な相場と比較することができず、法外な費用を請求されたとしてもクライアントは不信感を抱きずらい傾向にあります。

またコーチングに関する知識を有していない人からすると、高額なコーチング料であることは信用できる要素の一つとして捉えてしまう場合があります。そういった理由から法外な費用を請求されても、騙されていると知らずに支払ってしまうケースが存在しています。

コーチングから洗脳・マインドコントロールへ発展するリスク

コーチがコーチングを行う中で、クライアントをうまく誘導し自らの思うように行動させるといった、洗脳・マインドコントロールに類似した被害が報告されています。

メンタルヘルスの向上、起業やビジネス等で成功するためのコーチングは多くの受講希望者が集まります。悪質なコーチングを騙った詐欺の業者は、これらのような多くの人が興味を持っていて、尚且つクライアントの向上心を逆手に取ることが出来るようなコーチングを行っています。

しかしコーチングを受け続けるにつれ、徐々にコーチングの内容は変化し、「言う通りの行動をしなければ絶対に失敗する」「コーチングを辞めると成功はできない」といった脅迫観念を植え付けられ、受講者は洗脳やマインドコントロールのような状況に陥ってしまう場合があります。

このような状況になってしまうと、コーチング料として法外な額の請求をされても失敗を恐れて断ることができない、コーチングとは無関係のサービスを契約させられてしまうといった被害に発展する被害も見受けられます。

また洗脳やマインドコントロール被害に関しては、被害者は「自分は詐欺の被害に遭っていない」と強く思い込む傾向が見受けられます。そのため、第三者が状況を改善しようと行動するも、自身が不利である状況を隠そうとする、さらには第三者に対して激情し、強く否定をする可能性があります。

もしご家族や近しい方が洗脳・マイドコントロール等の被害を受けているよう感じる場合は、自身だけで解決しようとせずに、第三者機関や専門家等に相談することをお勧めしています。

コーチング詐欺の被害者に共通する特徴

これまでに報告をされた、コーチングを騙った詐欺の被害にあった人に共通する特徴をご紹介します。

・自分を変えたいという願望がある
・現状の生活に満足していない
・自由な時間がないと感じている
・起業や独立に対して強い憧れがある
・仕事を辞め、不労所得をで生活したい
・過去に夢を諦めた経験がある
・子育てが落ち着き暇な時間がある…etc

これらの特徴はコーチング詐欺の被害者に共通するポイントの一部です。もしコーチングの契約をしている方のなかで上記の特徴に当てはまっていた場合は、コーチングを騙った詐欺の被害に遭う、もしくは現在遭っている可能性が考えられます。

コーチング詐欺の被害に遭いやすい層とは

コーチング詐欺の被害者は、比較的高齢者よりは10代から30代の男女が被害に遭いやすい傾向にあります。

昨今スマートフォンの普及に伴い、誰でも検索すれば簡単に情報を集めることが可能になりました。しかし簡単に、簡単に真偽を確かめられない情報も集まるようになってしまい、それらの良し悪しの判断は非常に難しくなっています。

また加害者は、広告やSNSを用いて安全に見せかけて集客する術に長けているため、ネットリテラシーが高い若者でも被害に遭ってしまう傾向にあります。

少しでも怪しいと感じたら

あなたやご家族が現在受けている、もしくは契約を考えているコーチングに対して、少しでも不審な点を感じた場合は、専門家等へお早めにご相談することをお勧めしています。もしそのコーチングが詐欺であった場合、時間が経過するほど詐欺の被害額が大きくなる、洗脳やマインドコントロール被害がより深刻になる可能性が考えられます。

現在同様の被害にお悩みの方に向けて、ライツリサーチでは全国対応の無料相談窓口を設けております。ご心配な場合は、1日でも早くご相談ください。

コーチングと入り口とした洗脳・マインドコントロール被害を防ぐために

危険なコーチングやセミナーの見抜き方とは

怪しいコーチングやセミナーを見抜く方法をご紹介します。これまでに報告されたコーチングを騙った詐欺の手口には、さまざまな状況が確認されています。一部は抽象的な表現となりますが、現在契約しているコーチングが下記で紹介した点に当てはまっている場合は詐欺の危険性が考えられます。ご注意ください。

高圧的、脅迫のような口調

あなたがコーチングの中で高圧的な態度を取られたり、脅迫のような口調で不安感を与えられた場合は、危険なコーチングの可能性が考えられます。悪質なコーチング詐欺では「成長するため」と称しコーチングの受講者に強いストレスを与える洗脳・マインドコントロールの手法が見受けられます。

深い支配関係が構築されてしまうと、まさに「言いなり」となってしまい、高額なコーチング料・コンサルタント費の契約をされる金銭的被害だけでなく、性的行為を強要されたり、犯罪に加担させられることも考えられます。

このような場合、単純な法的解決だけでなく、被害者に精神的なトラウマや後遺症を残してしまう恐れがあるため、非常に危険なトラブルと考えられます。

高額なコーチング料等の請求

もしあなたがコーチングなどの勧誘を受けその後契約を結ぶとなった際に、あまりにも受講料が高額な場合は、その場ですぐに契約を決めず一度考え直す必要があります。

人間の心理として、何かしらの物やサービスに高いお金を支払ってしまうと、内容はさておき「これは効果のあるものだ」と思い込んでしまう節があります。しかし受講料が高額であることは、それらの効果が高いことを裏付けるものではありません。契約の前に一度周りの方に相談することをお勧めします。

またコーチング料は高額でなくとも、後からそれに関連したセミナーの参加費を払わされたり、情報商材を購入させられるケースも存在します。そのため最初のコーチング料が高額でないからといって、詐欺ではないとは言い切れません。

他の団体の勧誘を受ける

悪質なコーチングの特徴として、コーチングを通して他の団体や宗教、セミナーの勧誘をされる手口が横行しています。

これまでに報告された事例では、コーチングの中で「他の受講者はみんな参加しているから」と、あるビジネスに関するセミナーの参加を勧められ、結果的にはマルチビジネスの入会をさせられる、といったケースが多数報告されています。また他にも、一部の宗教団体が関与していると見受けられるコーチング、セミナーの存在も報告されています。

このように本来の目的は上記のような宗教やマルチネットワークビジネスの勧誘で、そのために人を集めるための窓口としてコーチングを悪用する手口がよく用いられています。

まとめ

怪しいコーチングによる洗脳・マインドコントロール被害に要注意

今回はコーチングを騙った詐欺被害と、それから発展する可能性のある洗脳・マインドコントロール被害についてご紹介しました。

近年このような受講者が持っている高いモチベーションを逆手に取ったり、受講者の不安を煽ることで洗脳・マインドコントロール状態に陥れるといった詐欺の被害が増加しています。

現在コーチングを契約している方は、そのコーチングは本当に問題のないものなのか、高額なコーチング料や不当な支払いをさせられていないかを、今一度確認することをお勧めしています。コーチングを繰り返し受ける中で、徐々に不利な状況になるように判断を誘導されているかもしれません。

また今回紹介した詐欺は、被害者は不当な扱いを受けているにもかかわらず、自身が騙されていることに気付きにくい傾向にあります。

これまで私たちの元に寄せられたご相談の多くが、被害に遭われている方のご家族、ご友人によるものです。そのため、もしあなたの周りの方で怪しいコーチングビジネスに関与している様子が見られる方がいましたら、被害が大きくなる前に専門家等へ相談する必要があります。