交際相手からDV(ドメスティック・バイオレンス)を受けている方は、自分から関係を断ち切ったり抜け出すことが難しい状況になってしまう場合があります。いわゆる洗脳やマインドコントロールと同じ状況に陥ってしまい、解決には周囲の方が協力して対処する必要が生じます。

当ページでは、そうした交際関係におけるDV被害における特徴やの事例をご紹介しています。現在、同様のトラブルが見受けられる場合は、ご本人様や周囲の方を問わず、速やかに専門家へご相談ください。

DVによる共依存・マインドコントロールに遭っている場合

DVや共依存……自分では気付けない「危険な洗脳関係」

洗脳やマインドコントロールの手口には「暴力によって相手を支配する」方法が存在します。まるで動物のしつけのように、痛みを利用して恐怖心を植え付け、反抗する気力を失わせる手口は、最も危険かつ強力な洗脳方法と言えます。

現在そのような方法が悪用されてしまうのが、恋愛における共依存の関係です。
夫婦間や交際関係において大小様々な規模で発生しやすいトラブルですが、多くの場合は「最初はそんな関係じゃなかった」「途中からパートナーが豹変した」と言うケースが多く見受けられます。

DVによる共依存・マインドコントロールの事例と特徴

■実際の相談事例

実際にDVによる支配、共依存などのマインドコントロールが見受けられた相談事例をご紹介します。以下のようなトラブルに心当たりがある方や、実際に周囲の方に特徴が見受けられる場合は要注意です。

相談者:Kさん(20代・女性)会社員

マッチングアプリで出会った男性(Tさん・30代)と交際して2年目。付き合ってしばらくは優しく、紳士的な人と感じていた。しかし、Tさんが度々酒の席でトラブルを起こしていることは、Kさんも友人等も把握していた。

その後、同居を始めてからTさんの態度が急変。
携帯を確認し居場所を報告させるなどの強い束縛、怒鳴られたり人格を否定するような言葉をかけられる、外から見えにくい箇所をつねられたり物を投げつけられるなどの暴力が始まる。

そうした生活が1年以上続いたが、Kさんのご両親が異変に気づいたため自体が発覚。そのきっかけは、Kさんが無気力になり会話もままならない状態であったことと、夏場でも体を隠すような服ばかり着流ようになっていたてため。

その後、専門家や病院と連携をとり法的な対処を行った結果、KさんはTさんとの同居を解消することとなった。

■危険なDVによるマインドコントロール・共依存の特徴

その他にも、DV被害によって起きる共依存やマインドコントロールについて、共通して見られる特徴があります。以下のような点に心当たりがある場合はご注意ください。

周りの方が当てはまる場合はすぐに相談を
☑︎ 明らかにDVを受けているのに相談していない
☑︎ DV加害者を庇う、指摘をすると怒り出す
☑︎ 付き合い始めてから性格や言葉使いが変わった
☑︎ 「別れたい」と言うもののずっと行動に移せていない
☑︎ 使えるお金や行動の制限をされているようだ
☑︎ パートナーの言うことが全て正しく自分が間違っていると思い込んでいる……etc

DVを受けても別れられない・共依存してしまう理由とは?

「今のこと」が考えられなくなる

このようなDVの被害を受けてしまうと精神的に疲弊してしまい、現在の状況を冷静に判断することができなくなってしまいます。そもそも人間の心理として、強い精神的ショックを受けると自身の心を守るために、あえて感覚を鈍らせたり、現実逃避をしてしまうことがあります。

そのため、被害者の多くが「昔は仲が良かったから大丈夫」「今は辛いけど、耐えればきっと良くなる」など、現在起きていることからあえて目を背け、過去や未来のことに意識を集中してしまうため、ずるずると抜け出せない関係が続いてしまうことが考えられます。

心が弱っている時は「変化」ができない

引越しや転職などの環境の変化は、それ自体が少なからず精神的なストレスを与えます。DVなどで過度なストレス状態にある人は、自分からストレスを受けるような行動を避けてしまうため、辛い状況だとしても変化を求めず、耐え忍んでしまうケースがあります。

誰がどう見ても明らかに危険な状況にも関わらず、本人が「大丈夫だから、心配しないで」と言ってしまうのは、強がりなどではなく精神的な防御反応である場合があるため要注意です。

DVによる共依存やマインドコントロールから抜け出すには

必ず誰かの力を借りる必要があります

もしご家族や周りの方が、こうした状況に陥ってしまっている場合は、相談やアドバイスだけでは状況を変えることはできません。理由は前述の通り、自分から動くことが困難な精神状態まで追い詰められてしまっているため、放置しても解決されない事態となってしまいます。

そのために、まずは必ず本人の意見だけで判断するのではなく、客観的な視点からの冷静な判断や、違法性を指摘できる点を取得することが重要です。ライツリサーチでは専門のカウンセラーが、そうした判断のお手伝いやサポートを行なっています。